Q1のご回答 :
従来のJIS規格の研磨材規格は、欧米の規格と異なるものでした。一般的には、シート版で使用する研削材の粒度分布は、これを使用していました。また、レジンボンドを使用した研磨布紙は、昔から欧州規格のものを使用してきました。従来のJIS規格を基準とした粒度は#で、1991年から研磨布紙用研磨材を基準とした粒度はPで表されます。粒度分布の差はあります。比較表をごらん下さい。
表1粗目・表2細目
【詳細】
当社で使用する研磨材の粒度の規格、 旧JIS研磨布紙用規格・及び現行一般研磨材粒度 :記号#で表します(例#60)。 当社では、以前よりFEPA規格の粒度を使用していました。
ISO研磨布紙用P規格・及び新JIS研磨布紙用P規格・従来からのFEPAをPで表します。 同じ番手でも#とPではPの方が少し粗く粒径がそろっています。
研磨布紙関連JIS規格について研磨布紙に使用する研磨材の粒度は、従来、研磨材の粒度(JIS R 6001-1987)によっていました。しかし、世界標準化の流れから、ISO
6344/1に準じ、新たに研磨布紙用研磨材の粒度( JIS R 6010 )が制定されました。
それに伴って、研磨布紙関連JIS規格(全10規格 JIS R 6251〜R6260)が1991年8月1日に大幅に改正されました。
【主な改正点】
(1) 研磨材の材質による種類は、AA(アルミナ質)、CC(炭化ケイ素質)から、A、WA、PA、HA、AZ(アルミナ質研削材)、C、GC(炭化ケイ素研削材)となりました。
(2) 研磨材の粒度による種類は、粒度を示す数字の前に“P”を付けることになりました。
(3) JIS R 6253(耐水研磨紙)の700番、JIS R 6255(研磨ディスク)の14番、に相当する呼称がなくなりました。JIS R
6010とJIS R 6001の粒度では、粒度番号が同じであっても、粒度によって粒度分布にずれがあり、JIS R 6010は新しい粒度体系で構成されているので、14番と700番は含まれていません。
研磨布紙用研磨材の粒度 JIS R 6010とJIS R 6001の粒度分布の規格値は同一ではありません。 なお、今回の改定は、研磨布紙の主原料である研磨材の粒度規格の変更という内容を含むため、暫定措置として改正前の規格を平成9年3月31まで改正後の規格と伴わせて適用できることになっています。
参考(日本産業標準調査会ウェブサイト)
・研磨布紙用研磨材の粒度 JIS R 6010: 2000 P規格
・研削といし用研磨材の粒度-第1部: 粗粒 JIS R6001-1 F規格
・研削といし用研磨材の粒度-第2部: 微粉 JIS R6001-2 F、#規格
|