ご使用の環境によって異なりますが、一般的にはナイロンブラシの研磨、洗浄能力、仕上げの綺麗さ(面粗度)、ブラシの寿命(ライフ)の考え方は、下表のようになります。
既存設備を有している場合、ブラシの寿命を延ばしたい、キズ(汚れ)が取り切れない、ラインスピード、生産性をUPしたい、ブラッシング後のキズを目立たなくしたい等の要求に対し、まずは、加工条件からのアプローチを行います。
例えば洗浄能力UPのためには、対象材が乾燥状態である場合は、ラインの速度とブラシロールの回転数をできるだけ遅くすると、よい結果を得ることができます。
水分を含むしっとりしたもの、粘りけがあるものなどはブラシロールの遠心力を活用するために回転数を高め、ラインの速度を遅くすればよい結果が得られる傾向にございます。
コイル材を対象とした大型のブラシロールの場合、回転数は1200rpm以下、圧下量は1~3mm程度、水冷は幅100mm辺り8L/min程度でのご使用がブラシを効率よく使う条件となります。
加工条件で要求を満たせない場合、ブラシのスペックを調整することとなります。
ブラシ側のアプローチとしては、ブラシの外径や毛材(ブリッスル)の長さの変更も有効な手段ですが、取り付ける装置やシャフトの制約がある場合が多いため、毛材の材質・構造側からのアプローチは極めて有効です。
ブラシ条件を変更する場合、ディスクブラシの場合、密度の調整をまず検討し、更に調整が必要な場合、材質、粒度、砥粒、太さの種類等の検討を行います。
代表的なブラシロール用毛材(ブリッスル)の一覧
毛材(ブリッスル)の一覧
参考文献)バリテクノロジー: 高沢孝也, 北島弘一, 桜規格出版 (2002)108-112. |